interview

放課後の秘密基地!

―『激伝』は、いつ頃からチェックされてました?

山崎:「スーパーバトル」のタッコングやテンペラー星人のカードを持ってた記憶があるので、わりと初期から追いかけてたと思うんですよね。ただ、雑誌を買う習慣がなかったので、コミック連載のほうは飛ばし飛ばしで読んでた感じです。

出口:「コミックボンボン」、僕は買ってましたね。弟に「コロコロコミック」を買わせて、両方とも読んでました(笑)。で、明確に憶えているのは、ヤプール編からです。メフィラスがいいヤツになったぐらいからガッツリとハマッていきました。

山崎:あの辺りから絵もグッとカッコよくなるんですよね。

出口:そうそう、自分で真似して描きたくなる感じがありましたね。あと、当時の「ボンボン」には、こういう熱いマンガが少なかった気がするんですよ。『OH!MYコンブ』とか『がんばれゴエモン』とか、ギャグマンガのほうが勢いがあった印象で、少年マンガのザッツ王道を突き進む『激伝』には、何度も勇気づけられたし、とにかく夢中になりました。

山崎:のちに謎の原作者・瑳川竜の正体が、『ダイの大冒険』を手掛けてた三条陸さんだと知ったときは、大きな驚き以上に納得がありましたね。やっぱり相通ずるものがある。

―特にお気に入りのキャラクターは?

山崎:善玉だったら、グレートかな。『ウルトラマンG』自体が大好きなんですけど、当時はああいう柄の悪いウルトラ戦士がいなかったから、余計に惹かれるものがあったというか。

出口:僕はメフィラス大魔王! 最近、復刻版を読み返して気付いたんですけど、このお話の根幹には“意思の継承”というものがあるんだなと。で、それがウルトラ兄弟間だけでなく、元々は敵だったメフィラスも入ってきて行われるというところに痺れます。あと、エースキラーや鋼魔四天王も好きだな。シーダ編で四天王が再登場するくだりには、思わず熱くなりました。

山崎:敵だったら、怪僧マザロンが抜群によかった。マザロン人が、あんなに強い敵として登場するところも、意外性があって。あと、テンペラー星人には名誉挽回のチャンスを与えて欲しかったなぁ……う~ん、やっぱりヒーローよりも怪獣側に思い入れちゃいますね。

出口:そこはやっぱり怪獣図鑑で育ったというのが大きいのかも。ウルトラ怪獣はキャラ立ちしてるし、憎みきれないというか、敵なんだけど悪じゃない。もちろん、悪いヤツもいっぱいいますけど、すべて排斥しなきゃいけないものかというと、そうでもない。だから、『激伝』の共闘エピソードみたいなものも映えるんじゃないかな。昨日の敵は今日の友じゃないけど、正しく少年マンガしてますよねぇ。ただ、ちょっと特殊なところもあって、まったく異性を感じさせないんですよ。

山崎:確かにそうですね、「ボンボン」なのに!(笑)

出口:そうなんですよ。「ボンボン」のマンガって、ちょっとエッチだった。それこそ『がんばれゴエモン』のヤエちゃんとかね(笑)。

山崎:通称、性のゴエモンインパクト(笑)。ホント、あの帯ひろ志さんの『ゴエモン』で、くノ一に目覚めちゃった同世代人は数知れず……。まぁ、ウルトラの母やユリアンに刺激されて、ちょっとハイレベルな嗜好に目覚めちゃった子供もいたかもしれないけど。

出口:実際、防衛チームの女の子にしてもユリアンにしても、かなりセクシャルに描かれてるんですよね。でも、それは読み返して気付いたことで、当時は全然感じなかった。

山崎:どちらかというと、ホモソーシャル的な世界観ですよね。

出口:そこが変わってるよなぁ、と。こういう二次創作っぽいものって、わりと異性の要素が入ってきがちじゃないですか。それはそれで面白いし、そういうところも含めて「ボンボン」を楽しみにしていたんですけど、『激伝』には異性の入り込む隙間がまったくないんです。変な言い方になるけど、自分たちだけのものにしてくれてたというか。

山崎:小学生男子ならではの潔癖感っていうのかな。「女子は入ってくんなよ!」みたいな(笑)。学校が終わったあと、女の子と一緒に出かけるという選択肢がなかった時期の娯楽って感じがする。

出口:放課後の部室……いや、秘密基地だな。そういう雰囲気があると思いますね。もちろん、今では異性も好きなんだけど、この異性の匂いが入ってこない感じが、逆に心地よかったりもするんですよね。今でも『激伝』を読み返すと、フッとあの時代の感覚に戻れる気がします。

次回更新予告

MONOBRIGHT ライブ情報


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			■日時 9月9日(火)、10日(水)東京・下北沢CLUB QUE
			03-3412-9979(CLUB QUE)
			OPEN 18:30 / START 19:00(2公演共通)
			■チケット 前売:3,300円 / 当日:3,800円 / 通し:6,000円 好評発売中

			(2)MONOBRIGHT×BAND A TWO MAN TOUR2014『M.B.A.~メチャ・バンド・アツイ~』
			■日時
			9月25日(木)名古屋CLUB UPSET
			INFO:052-936-6041(JAIL HOUSE)
			9月26日(金)大阪LIVE SQUARE 2nd LINE
			INFO:06-6357-3666(清水音泉)
			9月30日(火)東京LIVE HOUSE FEVER
			INFO:03-3770-6900(VINTAGE ROCK)
			OPEN 18:30 / START 19:00(全公演共通)
			■チケット
			前売:3,300円 / 当日3,800円
			一般発売:8月24日(日)

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