いきもの大図鑑 企画担当の誉田です。
前回までで、「いきもの大図鑑アドバンス スズメバチ」の彩色がどうやって決まったのかをお話ししました。
今回はスズメバチの脚の可動に関しての話となります。
スズメバチは飛行する際に脚を畳むのがアシナガバチと異なる大きな特徴です。
また、スズメバチは非常に狭い巣の中では低姿勢で歩きますので、その時のポーズも取れるようにします。
脚部分の可動モデルを作成し、いろんなポーズを取らせ、本物同様のポーズがとれるかどうか確認します。
500円のガシャポン版の大型のスズメバチは脚の付け根にボールジョイントを取り付け、
それで動かすことが出来るようになっていました。
今回も、このボールジョイントを使用しようと考えていましたが、いざモデルが完成してみるとこのボールジョイントが必要以上に広い範囲で動くため、実際のスズメバチの脚では動かせない角度まで可動することに違和感を感じました。
「ガシャポン かに」の脚の時もそうだったのですが、本物と近い可動域に制限するほうがより動かした際にリアリティを感じることが出来ます。
そこで、昆虫のスズメバチの脚の構造を調べてみました。
脛節(けいせつ)と腿節(たいせつ)の間の関節は一軸方向にしか可動しません。
なので、この箇所の可動はヒンジ構造にし、回転などの動きが一切出来ないようにしました。
次に、胸部に一番近い部分である基節(きせつ)箇所はあまり動きません。
そのため、脚を大きく動かしているのは転節(てんせつ)部分になり、人間の股関節のような役割を果たします。
ただ、広い範囲で動きますが、人間の股関節同様に、軸回転方向での動きでは90度くらいまでには動かすことが出来ません。
そこで、実際のスズメバチの脚が動く可動域に近づけるためには、この「転節(テンセツ)」の箇所を別パーツにせずに、脚の付け根部分の先端をボールジョイント状にし、動きの範囲に制限を付け、本物の可動域に近づけました。
脚の可動域を本物に近づけば近づくほど、どんなポーズをとらしてみても、非常にしっくりと来るようになります。
例えば、触角を掃除する際のポーズを取らせようとすると、顔を少し振り向かせなければ届かず、その時のポーズは本物のポーズに近くなります。
また、脚を広げてしっかりと立たせることが出来るようになり、遊びの範囲は非常に大きく広がりました。
実際に手に取って遊んでみないと今回のスズメバチの脚の動きの感触は理解してもらえないかもしれませんが、動かして頂けるときっと今回の脚の構造のこだわりに「なるほど!」と言ってもらえるかと思います。
さて、仕様がすべて決まったら、
あとは量産で思い描いた仕様に出来るように何度も確認と修正を繰り返していきます。
前回までで決まった彩色ですが、これが量産でもインパクトのあるまま再現できるように、試行錯誤を繰り返し近づけていきます。
今回のスズメバチは私にとって初めての500円以上のガシャポン商品ということもあり、本当に彩色も含め、いろんな部分で新しいことに挑戦しながら試行錯誤の上完成させたアイテムとなりました。
どうにか、自分の中で立てた目標である「ガシャポン すずめばち」の時の2倍の驚きを詰め込むことが出来たかと思います。
今から、早く手に取った方の驚いた顔を見たくて、今手元にあるサンプルを眺めながらニタニタとしています。
もしかしたら、購入しようとしている皆さんより、わたしのほうが発売を楽しみにしているかもしれませんね。(笑)
プレミアムガシャポン用のカプセル自販機が置かれている店頭での発売は6月からとなります。
まだ、近くにプレミアムガシャポンが販売されていないエリアの方や、確実に購入したいという方はガシャポンオンラインで購入することが出来ます。
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