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今日は虫の日

 

いきもの大図鑑担当の誉田です。

 

今日は6月4日の「虫の日」です。

ガシャポンだんごむしを2018年の6月4日に発表してから3年経ったことになります。

ガシャポン「だんごむし」を開発していた時は、ここまでシリーズが続くとは思っていませんでした。

これも皆さまのおかげです、ありがとうございます。

 

と、いうことで今日は3年目を迎える「ガシャポンだんごむし08」の開発日記を書きたいと思います。

 

今回新しい丸くなる生きものは何かといいますと、


ミツオビアルマジロです。

 

実は3年前の「ガシャポンだんごむし」の発売直後から、社内のエレベーターに乗ると

「ダンゴムシの次はアルマジロの商品化ですか?(笑)」

といろんな方に言われました。

開発をスタートしたのは結構早かったのですが、いざ作ってみると難題が多すぎて途中、何度も投げ出していました。(笑)

 

今回は、どんだけやり直して最終の仕様に漕ぎつけたのか?!

それをお話ししたいと思います。

 

設計をスタートさせたときはダンゴムシの構造をそのまま、アルマジロに応用出来ないのかと簡単に考えていました。

とはいえ、ダンゴムシと異なり、頭と尻尾のほか、手足も意外にボリュームがあったため、甲羅の中を空洞にしないと収まりませんでした。

それで最初に出来上がったのがこんな感じの設計でした。

 

最初のアルマジロの設計



 

このデータを出力して試作にしたものが下の画像です。


 

丸くなっているところを見る結構アルマジロっぽく出来たように見えますよね?ただ、広げてみると、

 

初期の試作 内側スカスカ!!



 

腹の内側は何もなく、スカスカです!

しかも走行時のポーズを取らせようしても、

走行時の状態を上から見たところ。



 

 

いまひとつ、アルマジロには見えません。

 

 

だんごむしと違って、手足をもっと長くしないといけないということがわかりました

とはいえ、さっきも述べたように内部に十分なスペースはありません。

 

解決策が見つからず、とにかく、手足をもうちょっと長くし、内部もスカスカ感がでないように設計し直しました。

この時は強引に丸くなる方法を見つけようとしましたが、どうやっても完全に手足が入りきらず、設計図では丸くならずじまいとなりました。

 

試作2体目



 

 

手足が中に入り切らず、少し開いた状態のままです。

 

どうにか丸くする方法を考えていたのですが、無理して甲羅部分を大きくして丸くしてしまうと、走行時にアルマジロの形状が崩れてしまいます。

そのため、一旦、ここで中断することにしました。

 

煮詰まった際、いくら考えてもいいアイデアが出て来ないときは、考えるのをやめて他のことに没頭することにしています。

他のアイテムを考えている時に、ふと新しいアイデアが思いつくということが多々あるからです。

 

この後、亀、カニ、昆虫など毎月のように新しい生きものを作り続けていました。

 

そして、かめの商品を作っている時に、かめの脚を小さく折り畳む方式をこのアルマジロにも使えないかと思いつき、脚を折り畳んで小さくして丸めるという方法で開発を再スタートさせました。

 

3度目のアルマジロの試作



 

この段階でどうにかアルマジロを丸くする方法が見つかりました。

ただ、この時の感想は「やっと完成したということよりも、全然、このアルマジロかわいくない。」ということでした。

 

顔やバランスがおかしいということではなく、単に球体になることが出来るフィギュアが出来上がったとい感じで、変形させたりした際にこのアルマジロに愛着がわくような要素が全くないと感じました。

理由を探るべく、アルマジロの動きなど動画などで観察しました。

そこで気が付いたのは、アルマジロもハムスターのように後ろの2本の脚だけで立つポーズをとるということでした。

ハムスターも後ろ脚だけで立って鼻をクンクンさせたりしているポーズがかわいいと感じますので、やはりアルマジロも後ろ脚だけで立つポーズを取らせることが出来ないとかわいらしさが再現できないと考えました。

 

とはいえ、後ろ脚だけで立たせるのって、簡単なことではありません。

と、いうもの、内部構造をほぼやり直すことになるからです。

 

 

まずは、

 

〇後ろ脚がまだ短いので、さらに足を長くして安定させれるようにすることと、

〇後ろ脚だけで立っていても上半身が前に倒れないように自重で保持できるように体の内部パーツが伸びた際にも固定できること。

を考えました。

 

一から構造を作り直して、後ろ脚だけで立たせることが出来るように何度も構造を作り直していきました。

そして、どうにか後ろ脚だけで立つことが出来る構造が出来上がりました。

 

後脚だけで立つことが出来る構造に!  だけど、これだけ見ると怖い。。



 

 

この構造に甲羅をかぶせて出来上がったのが試作4体目となります。

試作4体目 後ろ脚で立つことが出来る構造に。



 

後ろ脚だけで立つことが出来るようになりましたが、なんか怪獣のようでかわいらしさが全くありません。

横から見ても、やはり怪獣にしか見えませんね。

 

横から見た画像



 

前脚がだらんと垂れ下らないと自然なポーズを取らせることが出来ないということがわかり、かつ、脚もまだまだ短いということもわかりました。

そして、アルマジロの骨格がどうなっているかを調べ、脚の折り曲がりかたなどを研究して、前脚と後脚のパーツ分割をやり直していきました。

 

そして、やっと完成したのがこちらとなります!

最終の試作 完成!!



 

内側はこんな感じです。

内側もスカスカではないです。



 

この後にさらにディテールなど修正を入れていき、完成させることが出来ました。


ガシャポンだんごむしの商品発表から3年目の今月にやっとアルマジロが発売出来て感無量です。

 

最後に「今日は虫の日」という題名にしておきながら、虫と関係のないアルマジロのはなしになってしまいました。(笑)

 

 

アルマジロに関しての最終商品の画像や詳細は「いきもの大図鑑」のページに載せていますので、気になる方はそちらをチェックしてください。

>>>ガシャポンワールド いきもの大図鑑 だんごむし08いきものの中で最も完璧な防御態勢をとる「ミツオビアルマジロ」登場!!

 

 

投稿日:2021.6.4 コメントをする

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