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駒形情報局(仮)~TR-6インレ その2~

こんにちは、開発担当のK澤です。

 
インレの開発話の掲載第2回です。次回の商品詳細と合わせて、全3回でお送りする予定です。

前回はまだモノの画像が整っていなかったため、販売形態と価格のみのご紹介でしたが、今回はもう少し踏み込んだところまでご紹介できればと思います。

 
インレ巡行モードの全長は425㎜!
 
 
今回は「企画経緯」と「開発について」をご紹介します。

 
■企画の経緯
昨年冬頃から2018年度の目玉の商品を考え始めました。年1個くらいは大型のものがあってもよいだろう・・・と。どんなアイテムであれば驚きがあるか?夏のイベント時期にふさわしいものになるか?実は最初は「ディープストライカー」の商品化を考えていました。大型かつ、アンサンブルのテーマである「武装によるシルエット変化」を体現しやすくパーツもいろいろな改造に使いやすいという点からもうってつけだな、と。

 
が、そうなるとセンチネルのほかの機体も欲しくなる・・・。通常弾にSガンダム入れてとか?でも仕様高すぎるとかそういう次元じゃないな・・・と、この世界観を広げるにはまだすこし準備不足というか、現状のコスト感(通常弾税抜463円という上代上限や、流通・販売形式などをみたトータルの展開を加味したもの)ではちょっと難しいかな?というのがありました。

 
このコスト感や年間通しての全体バランスをうまくかみ合わせられた時がセンチネルの世界観を広げる時だな、ということで別の案を模索。

 
デンドロビウム?サイコガンダム?クィン・マンサ?と、通常弾と含めた「世界観を拡張」できる大型商品の案と年間ラインナップのバランスを何度も練り直しながら、たどり着いたのが「インレ」という答えでした。

 
元々A.O.Zの機体は「ウーンドウォート&ダンディライアンⅡ」のセットが最大で、いつか可能性は模索したいとは思いながらここから発展した展開(さらに拡張させていく)は実現性が低いかなあとも考えておりました。事実、過去に例のない「ウーンドウォート&ダンディライアンⅡ」セットですら開発や設計は困難を極め、シリーズ発表時から設計・開発を進行してようやくたどり着いた究極の形だったため、これ以上はきついだろうと。

 
しかしながら、過去にも展開されつつ世界観を広げるという点を重視した時にさらなる究極を目指そうというところから「インレ開発計画」は始まりました。

 
■開発について
 
 
・まずは大枠の検証から。
「インレを作ろう」となると、まず何がインレを構成しているか?という検証からスタートをします。

 
インレはマスプロでは初の商品化ということで、ウーンドウォートのセットと同じく参考にできる立体物もなく、アニメ化作品ではないのでアニメ設定もないため、あれやこれやの手探り。設定画とにらめっこをしながら、単純にスペック上は「ハイゼンスレイⅡ」「フルドドⅡ」「ダンディライアンⅡ」「ファイバーⅡ」が合体した姿であるというところから検証をスタートします。

 
そうなると、ダンディライアンⅡにファイバーⅡが単純に乗っかればよいんだよね?という、前回の記事にも書いた最初の発想から検証が始まります。

 
こんな感じ?と。もちろん最初に考えることというか、単純な考えすぎて全然こういうことではないとすぐになります。商品上、専用に設計されていないので当たり前といえば当たり前なのですが通常弾の比較的簡単なものですら、これとこれがくっつくだけでしょ?みたいな考えでは成立しないことだらけなのです。とはいえ、まずは本当に単純なここから考えていきます。

 
この超ド級のサイズ、しかもかなり物理的に難しい合体をしているファイバーⅡを製品的に保持するにはどうするか?単純になんちゃって合体で台座で浮かせるだけで実はくっついていないとか、あるいはちょっと見栄えが悪くなるのを我慢してあらゆるとことから補助パーツが伸びまくっているような感じにするかなどを検証・検討。

 
「ファイバーⅡ側にもガンダム入ってるじゃん!」みたいなのまで再現したくなるといよいよどう組み立てるかが難しくなっていきます。

※ちなみにちゃんと入ってます。

 
強度と、ファイバーⅡの超大型のウイングをどのように扱うか?大まかな外観上の追いかけはどこまでやるか?軽量化や補強パーツの必要性、パーツの割りなど必要な要素をざっくりとした考えから、細かく要素に分解し、解決すべき問題をまとめていきます。

 
・細かい設定の検証
大枠の部分での問題点(強度やサイズバランスなど)が出てきたところで、今度は細かい検証を行います。大枠で出てきた問題点に対する細かい検証に加え、設定との整合性を追いかける作業が始まります。設定イラストの細かい部分を追いかけて、従来と異なる部分やその機体の設定をより再現するための要素を洗い出していきます。

 
例えば、昨年のウーンドウォートとフルドドⅡの合体をイラストベースで比較した際、ダンディライアンⅡに合体するバージョンと、単体のイラストを再現しようとします。そうすると、合体するためのバージョンでは赤い丸がついた部分に勘合部品がないといけない。でも、イラストを再現するにはピンが出ている羽はカッコ悪い。ということで、ウーンドウォート用のフルドドⅡにはそれぞれ同じパーツだけど勘合部があるものと無いものの2種類が入っていたりします

 
今回だと、1個前の記事で紹介したようにハイゼンスレイⅡになった際のフルドドⅡは色が違うというのを設定に合わせて変更しています。同じものがそのまま使われているように思えるパーツも、意外と細かく変わっていたりするのです。

 
特にA.O.Zは合体や武装追加で出来上がる設定はユニットの足し算なのかもしれませんが、イラストを読み解いていくとイラストごとに微妙に違う部分があるためまったく同じものとか、ただ単純にこれとこれが足し算されたらこのイラストになるというものではないのかなと、合っているかどうかはさておきですが自分的に解釈しています。それを反映するとこういった細かい部分の再現につながっていきます。

 
そして、ファイバーⅡのアンテナ女神像になってるやつも入ってるよねとか、そういうのもどう再現するか?を細かく確認しながら決めていきます。

 
※もちろん選べる2タイプを入れています。

 
全てを成せば当然値段に跳ね返っていくので、どこまでを実現するのか?という線引きと、使えるパーツや通常弾に割り振れるもの、逆に通常弾から持ってこれるものはあるのか?なども考えながら、トータルのバランスで細かく細かく内容を詰めていきます。

 
 
・形ができてきてからさらに検証
 
 
細かい仕様が決まってくると、今度は出力してからの検証作業を行います。この保持で大丈夫か?このパーツをここから持ってくる、このパーツは今回は使用しない・・・などの仕分けも進めていきます。

 
3Dデータ上は成立しているパーツがちゃんと組付けられるのか?ちゃんと形になっているのか?実際の形になったときのバランス感は?かっこよくなっているのか?等々、いよいよ詰めを行っていきます。強度的な設計などは生産メーカーさんが細かい確認を行ってくれるので、外観的な部分やパーツの割方やオミットなどがこれでよいか?などをジャッジしていきます。

 
・そして完成へ・・・。
細かい調整を何度も何度も繰り返し、ようやく原型作業が終了。いよいよデコマス(彩色サンプル)の作成です。C3直前にようやくデコマスがアップし、C3を終えてすぐに撮影、受注ページのデザインが完了したらいよいよ受注が開始します。

 
受注開始後も私たちの戦いは終わるわけではなく、原型を実際の商品にするための金型の調整や組み立て、パッケージのデザイン作成や取説の作成などなど、原型が完成するまでにかかったのと同じくらいの(いや、もっとかな?)作業を経て皆様のお手元にインレをお届けいたします。

 
どの商品も、こういった大変な過程を踏んで皆様にお届けするものなのでやはり愛がこもっています。

 
企画・開発・生産のにかかわった人たちの魂が入った『究極のアンサンブル』の受注は近日スタート!
 
是非ご予約ください。

 
次回の第3回目では細かい商品仕様などを紹介したいと思います。

 
 
(C)創通・サンライズ
投稿日:2018.8.31 コメントをする

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