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だんごむし日記 アルマジロトカゲ<後編>

だんごむしの開発担当の誉田です。

前回でアルマジロトカゲの動きを決定する「機構試作」が完成したので、この後はその試作に合わせつつディテールを入れて原型を完成させていきます。

 
<顔部分>
まずは、アルマジロトカゲの画像と資料を集めました。

人気のある爬虫類のため、たくさん画像は入手できましたが、結構、個体差があるため、どれに合わせていくか悩みながら進めていきました。

 
爬虫類の頭部の鱗の配列にはルールがあり、蛇とトカゲで異なります。トカゲであれば基本的に同じ鱗の配列となり、当然、アルマジロトカゲもこれに準じることになります。
ちなみに、各部分の鱗部分に名前もあり、参考までに今回のアルマジロトカゲのフィギュアに各鱗の名前を入れたものを作成してみました。

 

爬虫類の頭部の鱗の名称


 
さて、この鱗の配列は造形の際に確認して進めていきます。

本物のアルマジロトカゲの画像を見ていると、形状の違いが結構あり、頬にあたる部分の「側頭板」の鱗の形状が平べったくてラインだけが入っているものと、ゴツゴツしたものの2パターンあることに気が付きました。

年齢によるものなのか?エリアによって異なるのか?調べてもわかりませんでしたが、アルマジロトカゲはドラゴンのような外観が人気ですので、モデルに関しては、ゴツゴツした個体の画像をもとに造形を進めることにしました。

頭部の原型


 
<目>
次に目の部分の形状を調整していきます。目の形状は爬虫類っぽさを出すために非常に大事な部分です。

透明感を出すためには、製品ではツヤ有の塗料で彩色していきますが、それだけでは生きものの感じは出すことは出来ません。

下の画像を見てもわかるかと思いますが、目の中に光の反射で白くなっている部分がありますが、この光の反射部分があるとないとでは全く見え方が変わります。

なので、この光の反射部分を意図的に出やすくするために、眼球部分をしっかりと球体に作り、どの状態でも光が目に入ってきやすくします。
また、今回、より本物っぽく、透明感を出すために、黒目の縁に光が当たれば見えるレベルの茶色をいれることにしました。
遠目に見れば黒目1色に見えますが、近づいてみればしっかりと黒目と茶色の2色が認識できます。これにより、透明っぽさとリアリティな感じが出るようにしてみました。

目は光の反射が出やすい形状にし、うっすらと茶色を追加し透明感を出した。


後は、大きく口を開いた際のことを考え、口の中もしっかりと造形しましたが、最終的にフィギュアの口はそれほど大きくは開かなかったので、ほとんど見えなかったです。(笑)
口の中の上側の形状もしっかりと作りこんでいますので、手元にある方は口の中もちょっと覗き込んで確認して頂けるとがんばって造形した甲斐があります。

口の中もしっかり造形しています。


 
 
 
<脚>
後脚はどのアルマジロトカゲも指が長いのですが、前脚は個体差があり、短い指と長い指の個体がありました。

前脚は指が長い個体はそれほど多くはいなさそうでしたが、今回、爬虫類っぽさを出すために、あえて前脚も指の長い個体を参考にしていきました。 <胴体>

体の側面の刺に関しては、首部分は特に長く


胴体の上側にはそれほど長い刺部分がないのですが、側面には首部分も含め棘部分が長く伸びているものも存在しており、この部分をしっかり再現することでアルマジロトカゲのドラゴンっぽさを出していきました。

 
 
<ボディの成形色>
さて、胴体では、かなりのパーツに分かれていますので、金型数も結構多くなってしまいました。

そこで、ボディ外側のみで、4型金型を作ることになりましたので、成形色だけでも単調な色にならないように、金型により成形色を微妙に変えることにしました。
そこで、各ボディのパーツをばらばらに金型に入れ、隣り合うパーツが同じ成形色にならないようにしてみました。
 
<最後に>
最終の製品では、どうにか自由な角度でポーズを取らせることが出来、かつ、触っていて気持ちがいい適度な固さに調整することが出来るようになったのではないかと思います。

 
 
皆さんもこの商品を手に取ることがありましたら、本物に見えるようにポーズを取らせてハンドリング(手に載せること)させている画像を友達に送ってみてはどうでしょうか?
うまく写真が撮れれば本物のアルマジロトカゲと間違えてびっくりさせることが出来るかもしれませんよ。(笑)

 
※「いきもの大図鑑」のホームページもあわせてご確認ください!

https://gashapon.jp/dangomushi/special/dangomushi07/
投稿日:2020.9.24 コメントをする

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