ガシャポンブログ

バンダイ企画担当者が ここでしか聞けない最新情報や開発秘話をお届けしております。

ガシャポンオフィシャルサイト

最新の記事

2024年12月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

新着記事

カテゴリー

かめ開発日記-03- <甲羅の形状決定>

「かめ」担当の誉田です。

かめ開発日記01で、かめの内部構造が決まりました。
次はそれに合わせて外観を決めます。

 
開発を始めた時は、かめにさほど愛着はなかったのですが、開発し始めてこの時点ですでに半年が経っています。

かめのことを調べるために、図鑑を舐めるように読み込んでますし、実際に生きている生体を何度も観察してますので、かめの魅力である「かわいらしさ」がわかってきました。

企画スタート時はどんな形状であっても、手足がひっこめればかめの形状はそれほど拘らなくてもOKだと思っていた自分がはずかしいかぎりです!

「どうやったら、本物っぽくかめを再現できるのか??」

と、いうことを図鑑を眺めながら考え始めてていました。

とはいえ、形状を考える前にひとつやることがありました。

それは「かめ」の試作品を東京おもちゃショーで展示していた際に課題が見つかったからです。

課題とは、
「サイズによるインパクトが弱い。」 ということでした。

今の試作のかめでは「だんごむし」のときのような大きさのインパクトがありません。

もちろん、大きければいいというわけではないですが、それでも、今のサイズではインパクトが弱く大きさを再検討しなければいけないと感じてました。

ここから、カプセルトイの宿命であるサイズとの闘いが始まります。

当たり前ですが、いくら大きい商品を作りたくても、直径76㎜の球体の中にすべてを納めなければいけないのが、カプセルトイの宿命です。

カプセルに入れず、ギリギリまで商品を大きくするカプセルレスが今の主流となりつつありますが、それでも、一番長い部分を76㎜以上大きく出来ません。

とはいえ、すでに試作の甲羅の一番長い部分は76㎜とすでにカプセル自販機で搬出できるギリギリのサイズでした。

普通で考えればこれ以上大きく出来ません。

ただ、サイズを大きくしなくても、大きく見せる修正は可能です。

商品は横に大きくするよりも、縦に大きくしたほうが全体的に大きくなったように感じます。
しかも、商品の下部分を大きくするより、上部分を大きくしたほうがより大きくなったように目が錯覚します。

そこで、甲羅部分を今より10㎜高くすれば、かめ自体の見た目がすごく大きくなったようになると考えました。

インパクトが出るかの確認が最優先だったので、この段階ではまず高さを10㎜アップで修正をいれることにしました。

修正前の3Dデータ

  単純に10mm高くした3Dデータ
(カプセル自販機から出せるかどうかも見るために、補助パーツこの段階から検討。

形状が若干変になりましたが、甲羅のサイズの方向性を決めるためにも、このサイズで出力して大きく感じるかを確認できるようにします。

で、出来上がった試作は。。。。

すごく変で、キャスケット帽みたいになってしまいました。(笑)
ただし、ここで必要なのはサイズアップによるインパクトの確認!

前回のモデルと並べてみても、全くボリューム感が違います。
手足や甲羅の全長は同じですが、甲羅を10㎜高くしただけで、ここまでボリュームが変わってきました。

これで、十分インパクトは出すことは出来そうです。

甲羅と手足のバランスがきまれば、次はそのバランスと同じ実物のかめを探し、その形状に合わせていきます。

どの年齢のかめがそのバランスに近いか?を調べていきます。

生まれたときは甲羅が丸いドーム状で、手足が甲羅と比較して大きいです。

かめのベビー(甲羅は大人の亀に比べて丸くて頭も大きい。)

その後、甲羅部分がどんどんと大きくなっていって、頭や脚が甲羅と比較して小さくなっていきます。

大人になるとホシガメは特徴的なゴツゴツとでっぱりが出てきます。
また、甲羅が大きくなっていきますので、甲羅に対して頭が小さくなります。

ベビーのころは丸っこくて可愛いのですが、この時点ではかめの種類ごとの甲羅の特徴があまり出ていません。

かめの種類ごとの違いをだすためには、大人のかめのほうが良いのですが、成長すると甲羅部分が平たく顔が小さくなっていき、作りたいバランスから外れてしまいます。

それで、大人のかめでもなく、ベビーでもない青年(?)くらいのかめが作りたいものと同じ比率ということがわかりました。今度はそのくらいのかめの画像を参考にすることにしました。

今回、甲羅の形状の参考にしたホシガメの画像。

修正後の3Dデータ

甲版の凸の高さなど、前側は低く、後ろ側は高いなど、ひとつひとつの甲板の形を画像に合わせていくと、本物のかめっぽさが出てきました。

甲羅の形状とディテールは他の図鑑なども見て、間違いがないように確認しつつ完成させていきます。

前脚も本物の画像に合わせて平たくてボリュームがあるように修正するとリクガメらしい脚になってきました。
これにて、甲羅の形状が完成しました。

本当なら、これでモデルを出力して次に進めるのですが、この時期、手足のギミックの機構に気になる部分が出てきました。次回、再度、機構試作に戻り、その部分をやり直しします。

次回、かめ開発日記-04-<後ろ脚の構造>につづく。

 
亀の画像は「かめが好き!」みのじさん著からと、リクガメと暮らされているあこさん(https://twitter.com/Akoproduction)のブログから許可を頂き、使用しております。
投稿日:2019.10.24 コメントをする

コメントする

コメントを見ることができるのは開発担当のみとなります。
コメントに対する返信や引用は基本行いません。
ご了承いただけますようお願いいたします。

内容をご確認の上、送信ボタンを押してください。

▲TOPに戻る